アラ還主婦のやめやめ日記

毎日辞めたり始めたりしてもがく様子を綴ります。

「親を悪者にすればよい」娘との電話でふと口をついて出た言葉

 

久しぶりの娘との会話

たまの休みの娘とLINEのビデオ通話で話しました。

娘は離れた都会でバリバリ忙しく働いています。

一緒に暮らしたのは、娘が大学3年生の時まででした。

今振り返ると、子どもと共に過ごした期間というのは人生の黄金期だったのかなと思います。

 

娘と話をすると、否が応でも価値観の違いを感じてしまいます。

そして、親としてはどうしてもゆずれない点が出てくるわけです。

娘は「それは昭和の考え方で、今は全然違うから!」と切り捨てます。

昭和世代の親の中でもガッチガチの石頭だそうです。

娘は、娘の考え方で暮らしていて「それで大丈夫」と言いますが、私からすると周囲に忖度しすぎているような気がします。

言えば言うほど「そうではない」と返されますが、そこは母親の自分にしか言えないこと「いくら煙たがられても伝えておきたい」と、つい口やかましく言ってしまいました。

思わず口をついて出た言葉

話の流れで「じゃあどうすればいいの?」と聞かれた時、思わず口をついて出た言葉に自分でも驚きました。

 

「全部親のせいにすればいいのよ。

言いにくいことでも言っとかないといけないことがあるでしょ。

断りにくいけど言わなきゃいけないこととか。言うと角が立つけどここはどうしても言わないとっていう時。

きっとこれから先、そんな時があるはず。

言うと自分の立場が危うくなる、でも言わないといけないというような場合、親のせいにして済むものなら、全部親のせいにしてしまえばいいから。」

 

この言葉はかつて私自身が父からもらった言葉だったのです。

 

祖母から父、父から私へ

急に、何年も前に父に言われた時のことを思い出しました。

「面倒なことや言いにくいことは、すべて親のせいにすればいい。」

 

かくいう父も父の母(つまり私の祖母)にそう言われてきたそうです。

父は幼い頃に父親(つまり私の祖父)を亡くし、母子家庭で貧しく苦労して育ちました。

人生の難所に立ち、面倒なことを断らないといけない時、「親のせいにすればいい」という自分の母の言葉が支えになったのかもしれません。

 

私も同じです。

父からそのように言われて、絶対的な安心感を抱きました。

そして何度かその言葉を思い出しては「親のせい」にしました。

 

例えば、自宅の土地の境界に問題があったときのことでした。

近隣の方々とは長いお付き合いをするわけですので、決して強硬な態度は取れません。

とはいえ権利の絡む問題ですから、言うべきことは言わないといけません。

「親がうるさいから」「親が気にしているから」といった言葉で、角を立てず穏やかに話を進められました。

 

より身近な例で言うと、仕事が忙しくて休めない、でもどうしても休まないといけない事態になった時に「親戚の葬儀」を理由にするようなものです。

 

私が「父のせい」にした結果、父のことを横暴だとか勝手だとかいう印象を持ってる人もいると思います。

でも父は全く平気です。

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できることは少ないから

娘は意外なことを言われて戸惑っているような反応でした。

 

ですが、私は母親ですので人から今更どう思われようが平気です。

もし子どもが自分の意見をうまく伝えられなくて苦しんでいるとしたら、親はいつでも味方なので親のせいにしてください。

私が亡くなってからも同じです。

「親が生前こう言ってたから〇〇したいんだけど…」「亡くなった親の希望なので〇〇しないと困るんです」等。

そうすることで自分の立場を守りつつも相手を傷つけずに済みます。

親を悪者にして解決するものなら、どうぞ悪者にしてください。

子どもの思いが通れば、親も本望です。

 

巣立った子どもに親がしてやれることなんてそんなにないでしょう。

いつかどこかでのっぴきならないような事態になった時、親のせいにしてその場が収まるのであれば、どんどん自分を引っ張り出してほしい。

 

「ひどい親だなあ、仕方ないなあ」「変わった母親を持って大変だね」

私がどう思われようが、この先の人生をうまく渡っていってほしい。

そんな気持ちです。

 

娘にそのように伝わったかどうかはわかりません。

その後、違う話題に移って電話は終了。

外に出ると公園の桜が満開でした。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。