自転車に乗るのをやめました
自転車で交通事故に遭う
皆さんは自転車に乗られますか?
お住まいの環境でいろいろだと思います。
私は引越生活が長かったので、坂が多い土地や駅に近い土地だとほとんど乗ることなく自転車1台を夫と共用なんてこともありました。
ですから、田舎の終の住処に落ち着いて自分専用の自転車を購入した時は本当に嬉しかったものです。
今からちょうど10年前の冬のこと、ヨガのレッスンに通うため私は自転車をスピードを上げて走らせていました。
その時です!
見通しの悪い細い路地からクルマが飛び出してきたのです。
急ブレーキをかけたものの、横から自転車ごと衝突してしまいました。
その瞬間「ああっ、しまった、間に合わないー、ぶつかるー!!」
体が前転しながら飛ばされて「うわーっ、これからこの固くて冷たい道路に落ちるのか…」と思ったことをはっきり覚えています。
道路側に投げ出されて、ハッと気がつくと愛用の自転車は衝突の勢いで上下ひっくり返って立っていました。
ブリヂストンのシックでおしゃれな自転車でしたが、ぶつかった衝撃で変形し、完全に乗れなくなってしまいました。
私の身代わりになってくれたのだと心が震えました。
寒い時期でダウンコート、帽子、手袋と完全防備だったこと、落下時に全身を手の平と膝で受け止めて頭を打たなかったこと、投げ出された道路に他の車がたまたま走行していなかった等偶然が重なったおかげで打撲と擦過傷で済んだのは不幸中の幸いでした。
奇跡と言ってもいいかもしれません。
「しまった!転がったヨガマットとバッグ、自転車、よけなきゃ!」と思うぐらいの余裕がありました。
クルマの運転をしていたのは自分の親ほどの高齢の女性でした。
慌てて「ごめんね、ごめんね…」と声をかけてきました。
私が何とか立ち上がって荷物を移動させていたので大したことがないように思ったのでしょう。
「石にぶつかったかと思った。」と言われたのがショックでした。
高齢ドライバーの起こした事故がニュースで度々取り上げられるようになる以前の話です。
救急車で病院に運ばれて、骨に異常がないことを確認し処置を受けた後に、しみじみと思ったものです。
何か一つでも歯車が狂ってたら自分はもうこの世にいなかったのだと。
何かの力が働いて生かされたのだと。
有り難さをかみしめていました。
その頃働いていたパートの会社の方は、ひどく心配してくださいましたが1日休んだだけで出勤し、仕事もできました。
保険でまた新しい自転車がやって来たので、安全運転を心に誓いつつ2台目の自転車を愛用することにしました。
またもや自転車で転倒事故
交通事故から8年ほど経ったちょうど今から2年前のことです。
連休の最終日、買い物にと思って元気よく自転車に乗って進み、ハンドルを右に、とその瞬間、タイヤを引っ掛けて右側に思いっきり転んでしまいました。
右の肘で自分の体重と自転車の重さ全てを支える転び方となって、肘のあまりの痛さに悶絶しました。
幸い転倒場所は家の前だったので、ゆっくり気を取り直し、かごとハンドルが曲がった自転車をようやっと戻して家に入りました。
単身赴任の夫はコロナ禍で帰って来れず、一人暮らしでした。
休み明けの明日、会社を休んで受診しようと思って休みました。
その夜は肘周りがパンパンに腫れ、脂汗の出るほどの痛みをこらえながら何度も氷を変えて過ごして寝るどころではありませんでした。
翌日の整形外科での受診で、骨折しているということがわかり、愕然としました。
一人で転倒しただけで骨折するなんて、以前は車に跳ねられても大丈夫だったのに、よりによって利き腕の方が折れるなんて…と、現実を見たくありませんでした。
そして金属を入れる手術をすれば復帰も早いという説明も受けました。
グズグズ迷っていても仕方がない、仕事に早く復帰しないとと手術を即断し、3日後に2泊3日の入院手術を済ませました。
当時勤めていた会社は、2か月程休ませていただきました。
コロナ禍で全体の仕事量が減っていたことも幸いでした。
休職中、右手が指以外使えませんでしたが、家では自分の出来る範囲でゆっくりのんびりやればいいと割り切って、左手で包丁使ったりもしていました。
左手だけでできなかったことは、洗髪とドライヤーですね。
髪の毛を洗えなかったので安い美容院で洗ってもらったりしました。
仕事に復帰してもリハビリに通い、初めの手術から半年後に金属を取り出す手術をして治療終了となりました。
自転車とのお別れ
10年前の交通事故の時もそうでしたが、この転倒事故により長い間右手が不自由になってしまったことで高齢の親に随分心配をかけてしまいました。
アラ還になってまで親に心配をかけることも情けなかったです。
父には「もともとお前はバランス感覚が悪い。もう二度と自転車には乗るな。」と言われてしまいました。
確かに私はそんなに運動神経が良いとは言えませんし、小さい頃から怪我が多くて整形外科によく通っていました。
もう二度とこんな怪我はしたくありません。
そして、自転車に乗っていれば交通事故の加害者になる可能性もあります。
素直に助言を受け入れて、自転車を粗大ごみに出し、大好きな自転車ライフとお別れをしました。
思い切って自転車を手放したら
意外と何とかなる
思い切って手放したら清々しいものです。
よくあんな不安定なものに乗っていたんだと思うくらいです。
今の交通手段は徒歩、または電車、クルマです。
電車は1時間に1、2本の時もあるので計画性が必要です。
バスはまず使いません。
自分が子供だった頃は、バス停で待っていたら次々とバスが来ていたものでしたが、今は1時間に1本程度。
当時の自家用車ドライバーが高齢化しても運転し続け、若い人たちもみな自動車を使うクルマ社会になってしまっています。
歩くしかないので歩くことになる
もともとクルマの運転がそこまで好きではないため、買い物や用事等たいてい歩いています。
そうなると意外と歩けるものです。
例えば1 km離れたお店へ行き、ウロウロして帰ったら、往復で4,000歩ぐらいは歩けます。
本当は以前ご紹介した「耳読」をしながら歩くのが最高なんですが、私の住むあたりはクルマの通行量が多いので、とにかく騒々しい。
せっかくの音声も騒音に遮られてしまいます。
加えて、クルマ優先の運転が目立つので歩いていても気が抜けませんね。
都会では横断歩道で歩行者を優先してくれますが、こちら田舎では、たいていドライバーは歩行者を先に行かせてくれません。
歩行者もクルマを恐れてか、待っています。
田舎の交通事情と免許返納問題
夫の母はもともとクルマの運転免許を持っていないので心配はないのですが、私の両親は二人とも今でもそれぞれクルマを運転しています。
高齢で体の衰えも見られるため免許返納を強く勧めたのですが、何しろ一人一台が当たり前の地方の生活です。
「クルマがないと何もできなくなる」と頑として聞き入れてはくれません。
例えばタクシーを使う方が結果的にお得になる場合もあるとか、免許返納することで特典もあるとか話してみても、今までの生活スタイルを変えることなので、激しく拒絶です。
私に送迎してもらうのも気が進まないようです。
現時点では、常に小中学生が通学する時間帯を避けて、決まったルートを決まった時だけ運転するということで事なきを得ています。
アラ還世代の方で、親御さんがまだクルマの運転をされているという場合は、皆さん、おそらく同じような悩みを抱えているのではないでしょうか。
ご近所の奥さんは、義理のお父様が人身事故を起こしたことがきっかけでしぶしぶ免許を返納したと教えてくれました。
「人身事故とは言っても軽微なもので助かったんだけど…」と。
さぞ、肝を冷やされたことでしょう。
ひるがえって、私たちアラ還世代自身もいずれは免許返納問題に直面します。
その頃はどうなるのか。
「クルマの運転が完全に自動化されているんじゃないの〜」と楽天的な夫は言ってくれました。
そうであって欲しいです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。